私たちについて

私はスポーツを学ぶ大学で、データサイエンスを専攻していました。そこで初めて知ったのは、データサイエンスは企業の利益を高めるためだけのものではなく、スポーツの世界でも選手のパフォーマンスを高めるために使われているということでした。プロスポーツの現場では、選手のトレーニング、食事、睡眠、バイタルデータ、コンディションが日々記録されています。それらを専門のアナリストが統合し、分析し、次の練習やコンディション管理の判断に活かしている。

どの練習がパフォーマンスにつながるのか。どの状態なら負荷を上げるべきなのか。どこに不調の原因があるのか。そこでは、感覚や経験だけではなく、データが意思決定の一部になっています。その世界を学んだとき、スポーツとデータの関係がここまで深いのかと驚きました。同時に、自分が続けてきた筋トレにも、同じ可能性があると感じました。

一方で、自分自身の筋トレはかなり感覚的でした。重量、回数、セット数は記録している。食事も気にしている。睡眠も大事だと分かっている。それでも実際にやっていたのは、前回の記録を見て、今回の重量を決めることくらいでした。ある日、自分のトレーニング記録を見返したとき、びっしりと数字が並んでいるのに、そこから何も読み取ろうとしていなかったことに気づきました。

考えてみれば、筋トレほどデータと相性の良いものはありません。重量、回数、セット数、種目、頻度、体重、摂取カロリー、PFC、睡眠時間、疲労感、集中度、重量の体感。筋トレには、もともと記録する文化があります。トレーニングを記録する人がいる。食事をグラム単位で管理する人がいる。睡眠や疲労感を気にする人もいる。トレーニーは、すでに多くのデータを持っています。ただ、それらはバラバラに存在していました。トレーニングはトレーニング。食事は食事。睡眠は睡眠。疲労感は疲労感。本来はすべてつながっているはずなのに、それを一つにして、自分の身体を読み解くための環境がなかった。

野球では、選手の評価や戦術をデータで判断するのが当たり前になりました。サッカーでは、GPSデバイスで走行距離やスプリント回数を計測し、コンディションを数値で管理している。バスケットボールでは、シュートの位置と成功率の分析が戦術そのものを変えました。それなのに、筋トレの世界にはまだ届いていない。ジムで真剣にトレーニングを続ける個人にとって、記録を次の判断に変えるための手段が、まだ圧倒的に少ない。

筋トレをする環境は、この10年で大きく変わりました。ジムは増え、サプリメントは当たり前になり、トレーニングギアも多くの人が使うようになった。身体を変えるためのハードウェアは、すでに広がっています。それでも、記録を読み解き、次の判断につなげるための道具だけが、まだ追いついていない。次に必要なのは、ソフトウェアとデータです。ならば、真剣に身体を変えようとしている一人ひとりのトレーニーも、自分自身のデータを使っていいはずです。

Refineは、感覚を否定するアプリではありません。むしろ、感覚を大切にするためのアプリです。今日の身体の重さ。集中できているか。重量が軽く感じるか、重く感じるか。まだいける感覚があるか。今日は無理をしない方がいい感覚があるか。そういうものは、数字だけでは測りきれません。だからこそ、Refineは感覚とデータを対立させません。感覚にデータを重ねることで、自分の身体への解像度を上げる。好調と不調のパターンを見つける。自分で仮説を立て、自分で検証し、自分で改善していく。

努力している人ほど、その努力が報われる仕組みが必要だと思っています。同じように頑張っているのに、なぜ伸びる時と伸びない時があるのか。その違いを、根性論だけで片づけたくない。感覚だけに頼るのではなく、記録から読み解けるようにしたい。アプリがあなたの身体を変えるわけではありません。あなたの身体を変えられるのは、あなたしかいない。でも、あなたが残してきた記録には、まだ引き出されていない価値があります。その価値を見える形にし、次の判断につなげることはできる。

プロスポーツの現場で行われているデータを使った意思決定を、一部の選手や専門家だけのものにしたくない。すべてのトレーニーが、自分の記録を使って、自分の身体を理解し、自分のトレーニングを改善していける世界を作りたい。データを、すべてのトレーニーの当たり前の道具にする。それが、私たちの目指す世界です。